市就学指導委員会の裏話

 最近、妙に注目されている“就学指導委員会”。霞もその委員の一人であり、10月に入ると何度も市役所に召集される。先日も既に入学している児童・生徒に関する会議があったのだが…
=ケース1=
 多動傾向の小学生が、最近服薬するようになって行動が落ち着いてきたという報告があった。委員長からコメントを求められた医師は… 「いやぁ、僕は小さな子どもに薬を処方したことがないんですよ。」
…霞の目は一瞬テンになった。この医師、成人の、しかも統合失調症しか扱ったことがないそうだ。
=ケース2=
 重度難聴でありながら、母親の“強い希望”で小学校の通常学級に入学した子どもについて、授業や指導の内容がほとんど本人に伝わらない、という報告があった。委員長からコメントを求められた某養護学校教諭は…
「市の予算で手話通訳をつければいいじゃないですか。」
 また、市福祉センター職員は…
「本人と目を合わせて、ゆっくり口を動かす“口話法”なら通じるお子さんですよ。」
…霞のこめかみの血管が切れた。会議室の壊れたブラインドすら直せない市のどこにそんな予算がある?通常の学級で教師が“口話法”で授業をしたら、先に進まないだろうが!
 これが市の就学指導委員会を構成する『専門家・学識経験者』の実態である。委員会は妙に熱心な副委員長(中学校長)の発言を、昼行灯の委員長(小学校長)が鵜呑みする形で、22ケースを3時間半かけて審議して終了した。
 県内では就学指導委員会を廃止するところがあり、新聞では「画期的な先見性」とはやし立てられていた。保護者の考えだけで子どもが教育を受ける『場』が決まる。それが時代の流れなのかもしれないが、何か、何かが違っているように感じられてならない。