金魚のえさがない!

霞が担任している特殊1組(情緒学級)の朝の会の「次第」には「金魚と亀にえさやり*1」というのがあります。実は先週の金曜日に金魚のえさが底をついていたのですが、週末に買うのを忘れていました。
こうなるとAくんは大変です!『朝の会で金魚にえさをやらなければならない』ことが世界中の何より優先されるのです。ソワソワ、キョロキョロ、ウロウロ、モジモジ…パニック行動こそがまんしているものの、落ち着きません。そこで予定を変更して1時間目に近所のスーパーへ買い物*2に行くことにし、教頭先生に許可をもらいました。*3
せっかく買い物へ行くのですから、数学の授業もやってしまいましょう。課題は“品物の金額に応じたお金を出す”です。Aくんには予め10円玉・100円玉・500円玉・1000円札を渡しておきます。スーパーで金魚のえさを見つけると「208円(税込み)」でした。さぁ、どの硬貨・紙幣を出せば良いでしょう。Aくんは何とか数の大小がわかります。陳列されているティッシュペーパーを台代わりにして硬貨・紙幣を金額の少ない順に並べさせます。そして208円のえさがどこに入るか、10円玉と100円玉の間か、500円玉と1000円札の間かを考えさせます。正解は『100円玉と500円玉の間』。だから、Aくんはレジに500円玉を出せばえさを買える…という論理を教えるわけです。
Aくんは自閉なので、スーパーが駅に変わったり、金魚のえさが亀のえさに変わると、また別のものとして教える必要があるのが玉にキズですが…

*1:えさを「あげる」というのは敬語の誤用ですね。人間より金魚のほうがえらくなってしまう…

*2:最近9時開店になり、とても助かっています。

*3:霞が校地の外で授業をするときは必ず管理職の許可をもらっています。何か事故があったときに、「教諭」では責任が取れませんから。