“農夫”の手になった?

今年度、うちの学校は「学校緑化」の研究指定を受け、学校のあちらこちらにミニひまわりのプランターを設置しました。その数、240個。秋になり、花と研究発表が終わったプランターは駐車場と特殊学級の畑の間に積まれていましたが、今週末には学校公開と校内音楽会があり、多くの人たちが来るというので、教頭先生から「あのプランターを何とかしてくれ」と頼まれました。
『何とかと言われても…』でも、やるしかありません。生徒たちと一緒になって、1時間目と3時間目の約2時間。プランターを30m運び、畑の中のヘチマが終わった空きスペースに土を積んでいきました。
体力のある子はプランターを運びます。ひじを曲げる、おなかに乗せる…といった、重量物を運ぶ姿勢って、今どきの子は案外できていないもの。特殊学級の生徒たちもやっぱりできていませんでした。でも、20回、30回とプランターを運ぶうちに、だんだんと“正しい”姿勢ができるようになって来ました。
体力があまりない子は、プランターの土を積み上げる作業です。始めのうちは足元に土を置くので問題ないのですが、100個を超える頃になると奥のほうに土を積まなければなりません。となると、やわらかい土の中に足を踏み入れる必要があります。現代っ子にとって、ここが難関になるのです。ウニョっとする感覚、土の汚れ…そういったものをとても嫌がるのです、特殊学級の生徒たちも。でも、最初の一歩が出てしまえばあとはどんどん踏み込めるようになりました。*1
そんな作業が終えた生徒たちを見ると、体操着は真っ黒、爪の中には土、こめかみには流れた汗の跡…Aくんがこう言いました。
「赤ちゃんの手じゃないですぅ!」
をを!こころみ学園で川田園長先生から聞いた話を覚えていました。思い出すタイミングもちょうど良し。うん、確かに君たちの手は赤ちゃんの手じゃなくなった。“農夫”の手と言うには、まだまだ柔らかすぎるけどね。

*1:靴下の洗濯が大変そうです。お母さん方、ごめんなさい…