大根売れた!ヘチマ売れた!

△△小学校(うちの中学の学区外)のご好意で、△△小フェスティバル*1の中で、特殊学級で作った大根とヘチマのタワシを販売してきました。

事前の根回し

  • △△小学校の担当者*2に、趣旨を理解してもらう。
  • 担当者を通じ、△△小学校の校長とPTAの内諾を得る。
  • うちの中学の校長から、改めて△△小学校の校長に依頼してもらう。

担当者同士の“独断”ではなく、自校の校長から相手校の校長へ依頼する形を取るのが肝要。“学校として依頼・受諾しましたよ”ということで、何かあったときの後ろ盾になるのです。

販売の様子

午前9時

大雪の中、現地集合。休日の自由参加なので、生徒は11名中5名、教師は4名中3名が参加。昇降口の前にPTAが用意してくれた机の上に大根とヘチマのタワシを置き、値札・看板を貼り付けて屋台完成。しばらくは生徒も教師もなかなか声が出ない。
*3は、遠巻きに眺めながら通り過ぎるばかり。1時間かけて売れたのはヘチマ2個だけ。

午前10時

フェスティバルが終わりに近づき、昇降口を出てくる人が増えてくる。これまで生徒だけに売り子を任せていたが、教師も一緒になって声を出す。
「ミニ大根とヘチマのタワシはいかがですかぁ!1個50円でぇす!」
学校関係者やPTA役員が屋台に近づき、1本2本、1個2個と売れ始める。

午前10時20分

フェスティバルが終わり、昇降口から続々と人が出てくる。一人屋台の前に立ち止まると、人が人を呼び、順調に売り上げが伸びていく。

午前10時40分

人の流れが一段落すると共に、客足が途絶える。残りは大根14本とヘチマ4個。少し離れたところにあるコーヒー・お汁粉コーナーには人だかり。ここで“禁じ手”。
「ポプラ学級の生徒が作った大根とヘチマのタワシはいかがですかぁ!」
PTA役員も叫ぶ。
「わざわざ○○中から来てくださいました!ご協力お願いしまぁす!」
コーヒー片手に屋台を覗く人の流れができ、完売。売り上げは2,300円也。

今回の取り組みを振り返って

実は、作業学習の製品を他校で不特定多数に販売できるというのは、かなり稀なケースなのです。『市の予算を使って購入した材料をもとに作った製品を販売して利益を得たならば、その利益は市へ返還しなければならない。』という建前で、販売そのものを認めない管理職*4は少なくありません。また、特殊学級に関心がある管理職ほど、物品の販売に消極的になる傾向があります*5。今回は、うちの校長の『ポプラ学級のことは霞に任せる』という体質が功を奏したともいえます。
一方、反省すべき点もありました。

品物の品質・価格設定

隣でPTAが100円で売っていた大根*6に比べ、ポプラの大根は3分の1から4分の1の大きさでした。販売の準備をしているところを見に来た校長に「こりゃ、30円だな。」と言われ、スタッフ一同憤慨したのですが、その指摘は妥当なものだったわけです。

“禁じ手”

特殊学級の生徒が作った…」という枕詞を使った時点で、作業学習の製品販売としては敗北です。『障害児が作った物だから、買ってやろう』客にこんな気持ちを抱かせてしまったからです。
これって、はっきり言って差別ですよね。道端に座り込んだコ●キの前においてある茶碗に10円玉を放り込むような、そんな感覚…。
かつて先輩教師から「作業学習でモノを売ろうと思うならなぁ“本物”でなきゃダメなんだ。客のほうから『金を出すから売ってくれ』って言ってもらえるくらいの“本物”でなきゃなぁ。」と教わったことがありました。ヘチマのタワシはともかく、今回の大根の売り文句は明らかに間違いでした。

*1:低学年の「生活科」、中・高学年の「総合的な学習の時間」の発表がメインの“授業参観”

*2:今回は特別支援教育コーディネーター

*3:△△小学校の保護者など

*4:それはそれで法令を遵守しているのですから、責められるものではありません。

*5:霞の経験則によります。

*6:プロの農家の方が作った大根でした。