交流学級担任との関係

特殊学級の生徒が交流学級で活動する際に、交流学級担任・教科担任との連携が不可欠であることは言うまでもありませんが、これが案外難しいものです。
まず、交流学級の担任は障害に対して“無理解”なのが当たり前、という姿勢から入る必要があります。今から3〜40年前*1の世の中を考えれば、自分が通う小・中学校に特殊学級がなければ障害児(者)と触れ合う機会など、まずなかったでしょう。特殊学級があったとしても、当時は今ほど交流が盛んではありませんでしたから“何をしているのか、よく分からない人たち”という感覚だったと思われます。
実体験がないまま、知識・情報だけで障害児(者)を理解することができるかと言えば、それは相当な難問です。“面倒を見る”“世話をする”といった感覚にたどり着くのが関の山でしょう。ここが落とし穴なのですが、特殊学級担任は知らず知らずのうちに、障害児(者)の理解が進んでいるものです。一日の大半を障害児(者)と過ごしているうちに、価値観が変化して*2きている特殊学級担任と交流学級担任の間に温度差があるのは厳然たる事実だと自覚できていれば、むやみに腹を立てずに済むかもしれません。
もう一つ。特殊学級担任の立場だと『特別支援教育』がメインの仕事で、『交流教育』はとても大切な位置づけになります。でも、交流学級担任の立場だと『交流教育』って視聴覚教育や図書館教育、食育教育と同じレベルになりますよね。意識はしているけど、そればかりにかまっているわけにもいかない…というのが本音ですよ。
そこで、交流学級の担任に交流教育、つまり障害に対するより良い理解を推し進めてもらおうと思うなら、特殊学級担任*3から肯定的で具体的なアドバイスをしてあげる必要があります。「肯定的」…昨日書いた“学級担任のプライド”ですよ。初めは『○○してください』型のアドバイスに限定するのがコツ。『○○するのはやめてください』『□□君を指導してください』型は、ある程度信頼関係ができるまで我慢したほうがいいでしょうね。
…って、昨日のKeiさんのコメントに答える形で書いたつもりだったんですが、何だか論点がずれてますね。こりゃ、再試験だな。もう一回チャンス下さい。

*1:分かってくれない交流学級担任は4〜50歳代…って、霞の先入観?

*2:「やろうと努力してもできないものは、仕方ない」って思えるようになるんですね、これが。

*3:本来は特別支援教育コーディネーターの仕事なんですけどね。兼任している人がほとんどかも知れないので、このあたりは微妙ですが…