家庭訪問

家庭訪問の際にお聞きした話の中で、眼から鱗が落ちた話題を二つ…

居住地校交流の難しさ

養護学校に通う児童生徒が住んでいる地域の、本来の学区の小中学校の行事・授業で交流する「居住地校交流」という取り組みがあります。これは“希望制”なのですが、Cくんの家では“保留”になっていました。今日、お母さんから話を聞くと…

Cくんが家に帰ってからは、家族以外にかかわりを持つ人がいない。そういう点では、居住地校交流をして“平日の夕方に遊べる友達”を増やしたいという気持ちはある。だが、地元の小学校にはCくんの兄が通っている。Cくんの兄は“障害者の弟”というものを受け止められずにいる。兄の気持ちを考えると、居住地校交流はできない。

居住地校交流の構想には、きょうだいの問題やそれに悩む家族の問題は考慮されていません。交流担当の教員は居住地校交流の推進に躍起になっていますが、慎重に考えなければならないということを思い知らされました。

家では服をたたまない

Eくんの個別指導計画では、日常生活学習の目標の一つに『脱いだ服をたたむ』がありました。それを見たEくんのお母さん曰く…

家で服を脱いだら、そのまま洗濯機に入れちゃうんですよ。だから、自分が脱いだ服を畳むなんてこと、ないんですよね。洗った洗濯物をたたむといっても、Eが家に帰ってくる時間には、洗濯物の取り込みは終わっちゃってるし…

言われてみればその通りです。実際の生活を考えれば、“脱いだ服”というのはたいてい汚れているわけです。そんな汚れた服をたたむなんてありえない、と言われても返す言葉がありません。
ほうきでの掃除や床のぞうきんがけ…ふつうの家なら掃除機とモップです。現実の家庭ではおよそやらないようなことを“日常生活のスキル”として位置づけながら平気でいる学校って、どうなんでしょう?