「登校日」は授業日数に含まれない

夏休みになると誰かしらに言われることがある。
「え?養護学校にも夏休みってあるの〜?」
あります。ありますよ〜(o^∇^o) そりゃぁもう母達は2学期を指折り数えるわけです。
とりあえず8月3日の登校日めざしてってことで・・・。せめて週1回の登校日があったら…って思いますねぇ。(ね、先生)県立高校授業日数がからんでくるんでしょうか? http://d.hatena.ne.jp/gukko/20060729/1154180557

夏休み中に何回か“登校日”がありますが、“登校日”は授業日数に含まれません。出席簿というのは正式文書なのですが、8月に何回登校日があろうとも、1日から31日まで*1大きな赤いN字を書き、その傍らに『夏季休業日』と書いています。極端な話、夏休みを全部“登校日”にしてもいいし、“登校日”をゼロにしても良いのです。地域で足並みをそろえる傾向はありますが、登校日を何回、いつに設定するかは基本的に学校の裁量なのです。

“どうして毎日が登校日にならないのか?”

特に養護学校では、保護者から「登校日が多ければ多いほど助かる」という声を耳にします。公立学校の場合、教員は“公務員”ですから、管理者である学校長は5日間程度の「夏季休養」をとらせなければなりません。また、長期休業中は研修会が数多く開かれています。公務員の中でも“教育公務員”として特別に位置づけられている教員は「研修の義務」が課せられているため、それらの研修会に出席しなければなりません。さらに、「巡回就学相談」や「教育課程伝達講習」といった都道府県・市町村教育委員会の公務に出張する教員もいます。このような事情から、夏休み期間中に全ての教員が学校に集まることは、かなり難しいのです。一部の教員しかいない状態で登校日を設定すると、運営上いろいろと支障をきたしますから、事前に数回の“登校日”を設定し、その日には研修・出張を入れないようにスケジュールの調整をしている…というのが舞台裏の実情です。
学習指導要領に年間の標準授業時数が示されていますが、“下限規定”ですから、たくさん授業をする分には何ら問題はないわけです。また、規定されているのは『授業時数』ですから、授業『日数』はいくら多くても良いのです。しかし、都道府県や市区町村の規定によって夏休み(夏季休業日)・冬休み(冬季休業日)・春休み(3月中は学年末休業日・4月になると春季休業日)が「○月○日から○月○日まで」と決められているので、その間は授業ができない仕組みになっているのです。
ちなみに、小中学校では登校日が少なくなる傾向があり、霞がかつて勤務していた中学校では登校日は8月1日の1回だけ。仔ダヌキが通う小学校では登校日が全くありませんも8月3日に学年登校日があるだけです。

*1:東北・北海道などでは冬休みが長い分、8月下旬から2学期が始まるところがあります。また、一部の“進学校”や2期制を採用している地域でも8月下旬から授業を行うところもありますね。