乙武氏の“教育実習”

http://sports.cocolog-nifty.com/ototake/2006/10/post_274e.html

 乙武洋匡氏を“批判”すると、とんでもない数の“敵”を作りそうですが…
 まず、教員免許の取得を目指しているということにビックリ。それも通信教育で。教員免許取得に必要な単位は結構な数になりますから、それを通信教育でとってしまうというのは大したものだと思います。
 で、教員免許を取得するのは結構なんですが、何のために教員免許を取ろうとしているのか、ちょっと不可解なんです。教員になるのが目的ではなく、“教員免許を持った乙武洋匡”というネームバリューを得たいのではないか…私はそう思っています。なぜなら、彼が教員になるには現実問題として多くの“不安要素”があると思うからです。
 まず、乙武氏本人の移動の問題。現実の学校は“平屋建て”ではありませんから、職員室から教室へ向かうには階上・階下への移動が必要になります。エレベーター・昇降機完備、完全バリアフリー設計の学校って、そうはお目にかかれないのですが*1
 次に指導上の問題。体育の指導については『専科教員』*2で対応するとして、彼自身、電動車椅子に乗っていることから、児童の安全管理上の不安が残ります。避難訓練をイメージするとわかりやすいと思います。校外活動の引率はせず、校内での勤務に限られるという条件になるのでしょうか?  今回の教育実習の様子から見て、どうも“イベント”の色合いが強く感じられます。

担当学年は2年生とのことですが、学校側のご配慮により、全学年全クラスで一度ずつ授業をするチャンスを与えてくださることに。

 これ、普通はありえないことですよ。実習生には一人ずつ“担当クラス”が割り当てられ、他のクラスの見学をすることはあっても、授業の実習をするのは自分の担当クラスで行うのが普通です。“全クラスで授業”という時点で、受け入れ学校もそういう判断、つまり、教員免許の取得が目的であって、教員になることが目的ではないと判断しているのかな、と思われるのです。
 「乙武さんが先生になったら、きっとすてきな先生になってくれるはず!」とお考えの“国民の皆様”が多数いらっしゃることは承知の上で書いてしまいますが… 学校を、教育をなめないでほしいな。
 …うわ、書いちゃった。

*1:まさか肢体不自由養護学校…って、それはないですよね。

*2:小学校には妊娠中の女性の教員などを補助する目的で、体育・音楽を専門に教える教員が配置されています。