ADHDのお薬

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の“治療薬”として「コンサータ」が発売されました。
(参考:ヤンセンファーマ社のプレスリリース
リタリン騒動のあおりで、安全性・有効性が確認されていながら製造販売の承認が留保されるといういきさつを経ての販売開始です。しかし、リタリンと同じ成分が含まれる『向精神薬』なので“使い方”が重要になります。
7年前にアメリカで承認されて以来、70カ国以上で使われているのですから、ADHDの子どもたち(「コンサータ」は原則として18歳未満の患者へ処方されます。)のもつ不注意・多動性・衝動性を緩和する効果は間違いなくあるのでしょう。ただし、この類の薬を服用するということは、いわばブレーキのない車をアクセルだけで走らせるようなものです。つまり、その時々の状況に即して極めて微妙な調整をしないと思わぬことになりかねない…ということです。
さらに、販売元のヤンセンファーマ社自身が認めているように、なぜ「コンサータ」の有効成分である塩酸メチルフェニデートADHDの症状を緩和するのか、そのメカニズムは明らかになっていません。保険がきく薬が認められたのですから、朗報には違いないのですが、一抹の不安をぬぐいきれないというのが私の正直な感想です。
断片的な情報に飛びついた保護者・教員がうかつな行動に出なければ良いのですが…。