校外行事“縮小”その理由

そろそろ来年度の主な行事の基本計画を検討する時期になってきました。…が、ここ数年、校外行事について話し合いをすると、気分が重くなってしまいます。と言うのも、修学旅行は別にして、その他の校外行事(宿泊学習や社会体験学習)を縮小する方向で考えなければならないからです。その理由は経費。生徒(保護者)が負担するお金はあらかじめ計画的に積み立てているのでよいのですが、問題は引率する教員の出張旅費です。
小中高校ならば児童生徒2〜30人に1人くらいの引率で済みますが、特別支援学校では児童生徒2〜3人に1人の引率が必要になってしまいます。30人の生徒が1泊する行事で、およそ100万円かかる計算になります。この額は中学校なら9クラス(かなりの大規模校になります。)の引率に相当します。生徒の障害の状況によって、生徒と教員が同数というケースも稀ではありません。当日の朝に生徒が体調を崩して欠席したため、教員のほうが多くなってしまい、「突然ですが、A先生は学校に残ってもらうことになりました。」ということもありました。
地方自治体の財政悪化の影響はもちろんのこと、『特別支援教育』のための居住地校交流や『共同学習』のための学校間交流が増え、これまでのような校外宿泊やスキー教室を実施するだけの予算が確保できなくなっています。1年生で宿泊行事を行わないまま、2年生でいきなり冬山でのスキー教室を行うには不安が…という問題も出てきました。
生徒の責任ではない、大人の都合でさまざまな経験の機会が失われてしまうのが残念でなりません。