自閉症児は図が苦手

 今日は技術の先生が出張*1だったので、特殊学級の技術は“製図”に挑戦したのだが、ここで、自閉症ならではのハプニングが発生! 立方体の積み木をいくつか重ねたものを見て図を描く課題を出したのだが、自閉症児のA君にはとても難しい。『四角』であることはわかる。だから四角を一つ書くことはできる。でも、“縦に2個重なっている”“横に2個並んでいる”ということがわからないのである。
 縦に3個重ねた積み木を見せると、3×3=9マスの正方形を描いてしまう。横に2個並べた積み木を見せると2×2=4マスの正方形を描いてしまうのだ。普通の人は縦3×横1の3マス分の長方形として、その輪郭を見ることができるのだが、A君は一つ一つのパーツを認識することはできても、それらがつながったものを一つとして捉えることができないのだ。
 比較的重い知的障害のBさんやC君が、5〜6回の練習で平面図、そして奥行きのある投影図が描けたのに対して、A君にとっては果てしなく難しい課題になってしまった。自閉症者の中には電車や風景をとてつもなく精密に描く人もいる*2のに、不思議である。

*1:特殊学級の技術の時間は、1組と2組の合同授業で、霞と技術の先生の2人で担当している。

*2:山下清 画伯など