サブタイトルに注意せよ

ちょっと遅いですが“夏休みの読書感想文”を一つ…。
私はめったに“新刊本”を買うことはないのですが、サッカー(正確にはサッカーの審判)をやっていることもあり、イビチャ・オシム*1という人にはとても関心がありました。「この週末は特に急ぎの仕事もないし…」と、本屋に平積みしてあったオシム関連の本の中からこの本を選んで買ったのですが…
この本は、イビツァ・オシム*2氏という「人」を理解するには参考になると思います。彼がどのような経歴を経てきたのかを知ることは、彼の発言を理解する手助けになると思うから。
ただし『オシム語録』といった、サッカー戦術論を期待するなら、不適当。著者はサッカーに明るく、マテウスストイコビッチといった“有名人”にも取材しています。しかし、意識か無意識か、オシム氏の言葉を戦術よりも彼自身の人間性に関連付けて書いているように感じられるのです。そういう意味では、サブタイトルの『フィールドの向こうに人生が見える』に注意して購入すべきだったと後悔しています。
読後感としては、「ますますオシムが好きになった。」という感じです。セルジオ●●氏のようにオシム監督に異を唱える人もいます。でも、イビツァ・オシムが、旧ユーゴスラビアでいかに幅広く支持され、愛されてきたか、彼の人間性に魅了された著者が穏やかで丁寧な文章で綴っており、私もオシム氏が好きになりました。これからの「オシム監督」の動向からいよいよ目が離せなくなってきました。

追記
東欧圏の人名(カタカナで書かれるとどれも同じように見えてしまう…)がものすごくたくさん出てくるので、読むのに一苦労させられます。

*1:Jリーグの登録名

*2:この本の中での表記。こちらのほうが発音に近いとのこと。