名は体を表すのに…

この4月に学校教育法が改正され“盲学校”“聾学校”“養護学校”は『特別支援学校』と変わりました。
が…うちの学校の名前は「●●養護学校」のままです。県内の全ての盲・聾・養護学校が名前を変えませんでした。県からは「当分の間、従前の名称を継続して使用する」と通達が来ていたようですが、理由については触れられていませんでした。もっとも、ひっ迫した財政状況の折り、看板・封筒を始めもろもろの作りなおしに金はかけられないというのは十分理解できるので、誰も文句を言っているわけではないのですが。
で、ちょっと気になったので、全国的にはどうなんだろうと調べてみました。ネット上の情報なので必ずしも正確とはいえないかもしれませんが、「特別支援学校」と名前を変えたのは

それに国立大学の附属校。名前を変えないほうが圧倒的多数みたいです。
おもしろいのが、改称した地域でも混在状況があるということ。例えば岐阜県では「特別支援学校」「盲学校」「聾学校」「養護学校」が混在しているし、三重県でも「盲学校」「聾学校」は変更なし。三重県の例は「養護学校」⇒「特別支援学校」だと想像できますが*1岐阜県の場合はどういう基準になっているのか、興味があります。
さて、私がなぜこんなところにこだわるかというと「名は体を表す」から。『特別支援教育』になって支援の対象になる子どもの範囲が広がりましたよ、『特別支援学校』になって地域の小中学校にもサービスを提供できるようになったんですよ、というのは関係者の間では常識とも言える情報ですが、外部の人にとっては縁遠い話。肝心の支援を必要とする子どもたちの親御さんの中にも十分な情報が伝わっていない人がいる恐れだってあります。
さらに言えば、今回新たに対象となる“発達障害*2”は、本人の問題に加えて周囲の人たちの関わり方がとても重要です。そういう意味でも“学校の名前が変わった”というのは十分なインパクトを持って世間にアピールする絶好のチャンスだったわけです。
人口500万超のうちの県にある公立の“特別支援学校”は全部で34校。名称変更に伴う経費は多く見積もっても2億。その金を出し渋ったばかりにこの先「あぁ、あの時…」と後悔するようなことにならなければ良いのですが。

*1:これも、本来の法改正の趣旨から言うと誤りと言わざるを得ませんが…

*2:文部科学省はこの3月に、これまで『LD、ADHD高機能自閉症等』と長々と表現していたエリアを「発達障害」と表記する、と通達を出しています。発達障害者支援法との整合性をとるのが目的です。