年間指導計画

5月末をめどに、領域や教科の『年間指導計画』が作られます。音楽・体育・美術は学年単位で、日常生活学習、生活単元学習、学級活動は学級単位で、作業学習、国語、数学は学習グループ単位で、自立活動は個別に…というように、指導(学習)形態に合わせて作られます。
さて、霞が担当する国語・数学グループの生徒さんは数式を理解できるレベルからひらがなの練習をするレベルまでいて、他のグループに比べると若干状態に幅があります。そんな生徒さんたちに小集団で指導しながらも一人ひとりの課題*1に迫れる教材・単元にはどんなものがあるだろうか…と、チームティーチングを組む中堅・若手の女性教員と3人で知恵を出し合っておよそ1週間。若手の先生が「生徒さんに聞くと、新聞は見るけどテレビ欄だけなんですよね…」と口にしたのを耳にして「それだ!」
生徒さんたちはテレビ番組への関心が高いので『今日は何のテレビを見るの?』という質問に即答できる人が少なくありません。ということは、自分が良く見る番組名とテレビ欄に書かれている記事を結びつければ、生活に密着した“読み”の力を伸ばすことにつながりそうです。また、曜日によってテレビ番組は変わりますし、半年たてば“改変期”を迎えてこれまたテレビ番組は様変わり。長期の単元設定にしてもマンネリを防げそうです。
国語の力が十分に身についていない生徒さんや、テレビに興味が薄い生徒さんに関しては、テレビ局名や芸能人の名前をきっかけ・題材として読みや書きの学習に取り組ませれば“グループのみんなと一緒に勉強した”という形に持っていけます。能力の高い生徒さんに関しては、番組名だけでなく、解説や投書欄に該当番組が取り上げられたときに着目させれば『短文を読む』という課題にも取り組めるし、さらに週刊誌(TVガイドとか)を持ってくれば、文章*2を読むレベルまで高めることができます。また、解説文中に出てくる表現を参考にして「感想文」を書くことにも挑戦できるかも…と広がりを持てる単元です。
ということで、年間を通して指導する“中核単元”として『テレビ番組表』を位置づけ、そこに加えて時期が限定される『短冊を書こう(7月)』『文化祭の招待状を書こう(10月)』『年賀状を書こう(12月)』『書初めをしよう(1月)』をアラカルトとして配置して、今年度の国語の年間指導計画が決まりました。

*1:個別の教育支援計画に挙げられている課題のうち、国語に関するもの

*2:「文」が複数まとまったものが「段落」になり、「段落」が複数集まったものが「文章」と定義されます。