“クラブ”の位置づけ

今日の5時間目は『クラブ』。霞はイラストクラブの指導をしました。
…と、ここで違和感を覚えた人は現職の教員もしくは教育関係の法規にかなり明るい方だと思われます。実は平成14年の改訂で中学校・高等学校学習指導要領から特別活動*1の中の『クラブ活動*2』が削除されているのです。

第4章「特別活動」
 特別活動の目標,内容及び指導計画の作成と内容の取扱いについては、高等学校学習指導要領第4章に示すものに準ずるほか、…
(盲学校、聾学校及び養護学校高等部学習指導要領)

とありますから、建前論として『クラブ活動』を授業として行っちゃダメだということになります。
一方で、

第1章「総則」
 第3款「知的障害者を教育する養護学校における各教科等の履修等」
  第1「各教科等の履修」
   3「学校設定教科」
(1) 学校においては,地域,学校及び生徒の実態,学科の特色等に応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,上記1及び2に掲げる教科以外の普通教育又は専門教育に関する教科(以下この項において「学校設定教科」という。)を設けることができる。この場合において,学校設定教科の名称,目標,内容等については,高等部における教育の目標及びその水準の維持等に十分配慮し,各学校の定めるところによるものとする。
(盲学校、聾学校及び養護学校高等部学習指導要領)

とありますから、時間割に『クラブ活動』があってもよさそうですが、『クラブ活動』が含まれる「特別活動」は「教科」ではないので、この規定を適用することはできません。

…回りくどい説明になりましたが、結論として『クラブ活動』を授業として計画・実施するには、位置づけに一工夫が必要なのです。そこでうちの学校の分掌「教育課程委員会」が出したアイデアが『総合的な学習の時間』でした。つまり、卒業後の社会生活を豊かに送るために「余暇活動」に関して自ら取り組む『総合的な学習の時間』として位置づけ、生徒たちは縦割りグループ「イラストコース」「音楽コース」「野球コース」を選択して取り組んでいる…という理屈です。

ただし、時間割上の表記については生徒が理解し見通しを持ちやすいように「○○クラブ」の名称を使っているというわけです。

*1:ホームルーム活動・生徒会活動・学校行事

*2:今では「クラブ活動=部活動」と解釈されていますが、平成14年の改訂以前は“授業として行われる『クラブ活動』”“放課後に行われる『部活動』”と明確に区別されていました。