授業中の教材作り(2)

 「もひとりの純ママ」さんへのお返事とお礼を兼ねて…
 「グループダイナミクス」と言われて、ふと気づいた点があります。実は、A先生は肢体不自由養護学校での経験がある先生なんです。
 肢体不自由養護に在籍する子どもたちは四肢の動きに制限があるため、“集団力動”が(意識の上ではあるのかもしれませんが)表に現れにくいかもしれません。また、介助の必要性から教員と子どもたちとが“マンツーマン”になる場面が多く、教員と子どもたちの距離感がかなり近いと思われます。(私自身が肢体不自由養護に勤務した経験がないので、このあたりは知り合いからの伝え聞き・想像ですが…)さらに、肢体不自由養護では子どもからちょっと目を離すことが、その子の健康・生命に関わる事態*1につながる恐れもありますから、「一時も目を離してはいけない」という感覚になるのは当然といえます。
 一方、霞はこれまで中学校特殊学級、つまり“それなりに動ける子どもたち”が相手でした。まさに「グループダイナミクス」の効果が表れやすい教育の場です。従って、私は「いかにして子どもたちを動かすか」を考え、そのため無意識のうちに子どもとの距離感を遠ざけよう、遠ざけようとしていたと思います。『教員と子どもたちが密着していたら、子どもたちは教員が動ける範囲しか動けない。教員と子どもたちが1m離れていたら、子どもたちは教員の動ける範囲+1mの範囲を動くことができる。』教職2年目に先輩先生から教わった言葉です。在籍生徒は身辺がある程度自立しており、さまざまな経験をさせることが教育上有効であるという中学校特殊学級ならではの理屈と言えます。
 A先生と私の子どもたちとの距離感=とらえ方の違いはここにあるんじゃなかろうか…もひとりの純ママさんのおかげで気づくことができました。なんだかすごくすっきりした気分です。
 もひとりの純ママさんに感謝です。

*1:転倒による負傷、嚥下の失敗による窒息等