学級担任の“数”

今日、平成19年度の出席簿が配られました。表紙には学級担任として霞ともう一人の先生の名前が入っています。
ここで違和感。普通、担任って1学級に1人のはず。実際の場面で、複数の教員が生徒さんたちに指導することはよくあることですが、だからと言って担任も複数というわけではないだろうに…という疑問が浮かび上がりました。気になって調べてみたら、ちゃんと「法的根拠」があったのです。

第七十三条の二の二
 盲学校、聾学校及び養護学校の小学部においては、校長のほか、一学級当たり教諭一人以上を置かなければならない。
○2
 盲学校、聾学校及び養護学校の中学部においては、一学級当たり教諭二人を置くことを基準とする。
○3
 盲学校及び聾学校の高等部においては、特殊の教科を担任するため、必要な数の教員を置かなければならない。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22F03501000011.html

ちなみに、霞が思い込んでいた“常識”については学校教育法施行規則第22条(小学校)第52条(中学校)*1で、

 小学校(第22条。第52条では『中学校』)においては、校長のほか、各学級毎に専任の教諭一人以上を置かなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、校長又は教諭を兼ねることができる。

と規定されており、小中学校でも“一つの学級に2人の担任”としても法的にはOKだったのです。中学校で8クラスの学年があった場合、『各学級に担任1人ずつで計8人、そこに副担任4人*2』という教員配置が一般的ですが、『2人担任の学級4つ、1人担任の学級4つで副担任ゼロ』と配置しても構わないということです。
ところで、高等学校の“学級担任の数”はどうなっているかというと、高等学校設置基準第8条に

高等学校に置く教頭の数は当該高等学校に置く全日制の課程又は定時制の課程ごとに一人以上とし、教諭の数は当該高等学校の収容定員を四十で除して得た数以上で、かつ、教育上支障がないものとする。

となっていて、学級数が基準になっていないんですね。

*1:いずれも現在では削除されています。しかし、http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14F20001000014.html第6条「小学校に置く教諭の数は、一学級当たり一人以上とする。」、http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14F20001000015.html第6条「中学校に置く教諭の数は、一学級当たり一人以上とする。」が有効なので、現場での法解釈に変更はないわけです。

*2:学校ごとの教員の数は都道府県条例によって定められていますが、中学校の場合、教諭の総数が学級数の1.5倍前後になるようほとんどの都道府県で係数が設定されているので、こうなります。ただ、昨今の財政難のため係数が減少傾向にあるようで、特別支援学級が2学級あっても担当が2人しか配当されないケースが増えています。